柿
投稿日:2022年11月10日今回は、秋が旬の柿について、柿特集です。
柿は、甘い柿や渋い柿の2種類に分けられ、甘柿(あまがき)・渋柿(しぶがき)と呼ばれています。
甘柿と渋柿との違いは、渋の原因であるシブオール(タンニン)の状態にあります。どちらも同じくらい含まれているにもかかわらず、甘柿の場合は水に溶けない状態になっているためで、よく実の中にゴマといわれる黒い斑点が見られますが、これがシブオールが固まったものだそうです。
一方渋柿には、このシブオールが水に溶ける状態のまま残るためで、収穫の後、『渋抜き』といわれる工程を経て市場に出ます。方法はいくつかあるようで、炭酸ガス法、加温法、アルコール法などがあり、天日干しによるものが干し柿となります。
柿には栄養が豊富に含まれており、「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高く健康食品として非常に優れていると言われています。
●カリウムは筋肉にとっても欠かせないミネラル
カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧の予防に効果があります。また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。逆に不足すると、筋肉が弱り、障害を起こすそうです。
●柿はビタミンAとCが豊富
どの品種にもペクチン、βカロテンをはじめβ-クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコピンなどのカロテノイド、ビタミンCを多く含みます。ちなみに、ビタミンCは柿1個で一日の必要量をほぼまかなえるくらい含んでいるそうです。疲労回復、かぜの予防、ガン予防、老化防止に効果があります。
●柿は二日酔いに効果があると言われています
ビタミンCとタンニンには血液中のアルコール分を外へ排出する働きや副腎機能低下を防止する働きがあるそうです。また、酵素(カタラーゼ、ペルオキシダーゼ)がアルコールの酸化、分解を促ため、血中アルコール濃度の上昇を防ぎます。まさに二日酔いにはもってこいの効果があるようです。
●柿の葉
柿は実だけでなく、葉も利用されます。ビタミンCではなんとみかんの30倍も含まれているそうです。柿の葉寿司や柿の葉茶が有名です。
美味しい柿を選ぶ時のポイントは
1.果皮全体がオレンジ色で張りがある
柿は熟すと全体がきれいなオレンジ色に染まります。黄緑色が残っているものはまだ完熟手前。へた付近まで果実全体がしっかりと色づいていて、果皮に張りがあり、しっとりとしたものを選びましょう。
2.赤みがかったものは果肉がやわらかめ
品種にもよりますが、果皮が赤みがかった柿は、果肉がソフトになっていることが多いです。やわらかい食感がよければ、色濃く着色したものを選んでみてください。
ただし持ったときに少しやわらかさを感じるものは、果肉がかなりやわらかくなっている可能性が高いです。とろりとした口当たりで、これはこれでおいしいのですが、日持ちはしません。
なお、柿は常温で置いておくと2~3日でやわらかさが出てきます。かための柿を購入してしばらく置いておき、好みのやわらかさになったものから順に消費するという食べ方もあります。
3.かたい食感がよければ色が濃すぎない柿
果肉のかたさは、果実を触ればある程度わかりますが、少しかたいと感じても、カットすると意外とやわらかくなっていることもあります。
カリッとした歯ごたえが好みなら色が濃すぎず、明るいオレンジ色に染まっていて、しっかりとかたさの残ったものを選びましょう。
ただし色が薄すぎるものは果汁が少なくて食味が悪いことがあるので要注意。熟度の判断が難しい場合はお店の人に確認すると安心です。なお上でも紹介している太秋などは、着色が薄くても熟しているので問題ありません。
また、かたさを維持させたいなら常温保存はNG。購入後は冷蔵庫の野菜室で保存して、なるべく早く食べ切りましょう。
4.大きめでずっしりと重みがある
同じ大きさなら、持ったときにより重さを感じるものを選びます。また、小玉のものより大玉のほうが、木に着果している数が少なくて、その分しっかりと栄養が行き渡っているといわれます。
5.へたと果実の間に隙間がない
へたはなるべくきれいなものがおすすめ。へたと果実の間に隙間ができる「へたすき」になっていないかも確認してください。順調に成長した果実は、へたがぴったりとくっついていますが、成長過程でバランスが崩れたりすると、この部分に隙間ができます。へたすきになった果実は、品質にばらつきがあったり、食味がやや落ちることがあります。
ただ品種によっては脱渋処理をする過程でへたが茶色くなったり、枯れていたりすることがあります。これらは見た目があまりよくありませんが、気にしなくても大丈夫です。
6.黒い横スジの条紋は熟した証し
太秋など一部の柿には、条紋と呼ばれる黒い横スジが見られます。これは熟しておいしくなっている証拠。条紋が入っているかもチェックしてみましょう。
ぜひ旬の柿を食べてみてください。